寺院活性化支援員を派遣して、お寺の現状や課題、要望をていねいにお聞きし、寺族と門徒と一緒に教化の取り組みを考える〝寺院活性化支援室 過疎・過密地域寺院支援”

今回は「兼業寺院の課題を解決したい」と考えて歩もうとする能登教区の取り組みに同行しました。

能登教区では、今後の教化のあり方について検討が行われています。その一つに兼職寺院の増加があります。

教化事業をやるのであれば、これまで参加いただいている方を大切にするのはもちろんですが、今まで様々な事情で参加できなかった方々にも目を向けて検討し、今まで出会わなかった人と人が出会い、新しいつながりが生まれ、出会いによって変わる、講師も変わるし参加者も変わる、そして能登教区も変わるそんなことができたらと思っているとのこと。

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お伺いした場所は能登教区第10組勝楽寺(石川県珠洲市野々江町)さまです。

こちらでは、約10年前から兼業寺院の住職や住職候補者の学習会・「蓮(レン)の会」が月1回開催されています。参加者は7名。それぞれ日中の仕事の関係から、7名全員がそろうことが難しい状態だそうです。

当日は、蓮の会から5名、能登教区総合教化本部本部長・大窪祐宣さん、同副本部長・竹原了珠さん、能登教区駐在教導・越岡慈縁さんの懇談に同席し、お話を聞きました。

時刻は兼業の方が集まれる時間として20時から22時で設定されました。

 

【兼業寺院の課題】※寺院活動以外に仕事している方の課題

まずは、それぞれの方が抱えている課題・悩みをお聞きしました。

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〈法務や教化に熟達する時間的余裕がない〉

・平日は7時から19時、土曜はお昼まで、日曜日はお休みです。どうしてもお寺以外の仕事がメインになってしまう。ときどき、住職である父の代理で法務にあたる機会があるが、頻繁にあるわけではないので以前行った法務を思い出しながら、これでいいのかな?といつも思いながら行っている状況である。

・平日は8時30分から17時で勤務。父に言われように法務を行っている。父がいるので大丈夫と思うものの、いつまでも元気なわけではないからお寺のことをもっとやらなければならないと思っている。しかしながら、子どもいるし食べていかなければいけないので、今の仕事を辞められる状況にない。

・結婚して、しっかりやっていかなければという思いはある。

・少し内容が外れるけども、昔は学校の先生や公務員をしながらお寺をし、葬儀があるから今日は出勤できないと言っても理解があったと聞く。勤めているところは兼業禁止となっているが、時代が進めばお寺のことが兼業禁止にあてはまってしまうのではないかと感じる。他の職場の人にとっては、お寺が兼業に当てはまるのでないか。

〈教区や組の教化事業に参加できない〉

・平日のお昼は働いているので、昼間に行われることが多い様々な研修会には参加したくてもできない。仕事も休みづらい状況にある。それに、だいぶ道が良くなったけど、珠洲市から教務所のある七尾市まで車で1時間30分ぐらいかかる。仕事してから行くのも大変。

〈情報過疎になりやすい〉

・蓮の会に声をかけていただいたおかげで、お寺のことについて一緒に考えたり話したりする仲間ができた。声をかけられなかったら、今よりもっと不安であっただろう。

・「相続講」という言葉さえ知らなかった。

・専業の方々が当たり前に使っている用語が分からない。

・教区や組の動きも今より分からない。

・周りの人が兼業ばかりで、自分も知らないし、。周りも知らない、お寺で当たり前のしきたり的なところが分からない。

【現在の教区教化事業に対して感じること】

つぎに、教区教化事業に対して感じることを聞きました。

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・一から儀式声明を習いたいという思いがある。住職・寺族向けの研修だけど、私にとってはテーマや内容が難しい。

・蓮の会で基本の浄土真宗、三部経、歎異抄を学んできたけど、みんな何も知らないから間違っても言いやすいのがいい。知っている方々の中で居づらいし、はずかしい。

・土日しか動けないから参加できない。

【今後、寺院を運営していく上で、自分が学ぶべき、または学びたいと思う内容】

学びたい、身に着けていきたいことをお聞きしました。

・どれを大事なのか、優先したらいいのかということが自分自身よくわかっていないと思う。その中で、①儀式作法について学びたい。お参りに行く機会がある、葬儀や法事もある。お寺での法要もある。その中で、必ず必要である。次に、②お寺の運営に必要な決まりや会計。③お参りに行ったとき、どうご門徒と接したらよいのかを聞きたい。お参りに行く機会があまりないので、聞きたい。何の気ない会話の中から教えにつながるといいと思う。

・儀式のこと、教化のこと、寺院運営のこと、いろいろ学ばなきゃいけないと思う。そんなとき、「これから見るといいよ!といった本の紹介や、実際に使っている便利品を知りたい。」

【蓮の会があってよかった】

さまざま、お話しする中で、兼業寺院の住職や住職候補者の学習会・「蓮の会」の会のよさも語られました。

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・毎回参加できるわけではないけれど、この会があったからこそ学べたことがある。

・声をかけていただいたことがうれしかった。近くに兄貴的な人がいたおかげ。

・一人だと、必要だ・やらないといけないと思っても、なかなかできていかない。一歩がでない。

【兼業寺院が参加できる研修事業(案)の提案】

「蓮の会の方々のご意見を聞きながら進めていきたい企画を考えています。」ということで、能登教区の教化事業の提案がありました。名付けて「お寺サポートうかがい隊(略称「寺サポ」)。

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この事業の目的は、〝本業の寺院の運・教化に専念・習熟することが困難な「兼業寺院」の住職・住職候補者が、今学びたいこと・学ばなければならないことを学ぶ。どのような就労環境にあっても学びの権利が守られる場を各地に作り、これによって寺院活動の支援となることを目的とする。″というものです。

概要は、

〇友引前日の夜間(20時から22時)、集まりやすい距離にある数カ寺の住職や寺族が集まって学びたいことを学ぶ。

〇講師は初歩のレクチャーに志し、実例豊かな教区内の方。※必要に応じて宗務役員

〇後援に派遣を希望する団体の代表者が所属する組になってもらう

〇2年間を1期間とし、年間2~3回を開催 ※複数の会の支援が行えるように2期連続は行わない

〇講師の謝礼はボランティアで旅費は支給。※教団や教区に育てられた恩送りとして

というものです。蓮の会で協議いただいて、了解していただければ、蓮の会さんとともにこの企画を育て、教区に広めていきたいとのことでした。

蓮の会からは、概ね賛同の声をいただき、今後、様々な協議をしながら歩みを進めていく予定です。

 

【最後に】

「たくさんの方が集まるということも大事なことではあありますが、小さな教えを聞く場所、教えを学ぶ場所を数多く作っていきたいと考えています。

能登教区総合教化本部本部長・大窪祐宣さんのあいさつで閉会となりました。