親鸞聖人御誕生850年立教開宗800年慶讃事業として取り組んでいる「井波別院瑞泉寺活性化プロジェクト」でのつながりがきっかけとなり、井波彫刻協同組合様より御影堂・阿弥陀堂に設置する木彫りの看板の寄進の申し出をいただきました。

 

富山県南砺市井波は、「宮大工の鑿(のみ)一丁から生まれた木彫刻美術館」として、日本遺産にも選定されています。

井波彫刻の歴史と東本願寺のつながりは深く、そのはじまりは江戸時代に遡ります。

 

江戸時代(宝暦年間・1762年)に井波別院瑞泉寺が焼失し、その再建事業において、京都の東本願寺より前川三四郎をはじめとする東本願寺の御用彫刻師が井波へ派遣されます。その時、井波の宮大工四人が東本願寺御用彫刻師・前川三四郎に弟子入りしたことが源流となり、彫刻のまち・井波は発展していきました。

 

さらに、現在の東本願寺御影堂・阿弥陀堂・御影堂門等(共に国指定の重要文化財)の明治期の再建事業においては、今度は逆に井波から彫刻師が東本願寺に駆け付け、井波彫刻師・岩倉理八が再建事業の彫刻主任を務めるなど、井波の彫刻師が世界最大級の木造建築の建立にあたり大活躍します。

 

写真の看板は、井波彫刻のPRも兼ねて井波別院瑞泉寺に設置されていたものを元に、御影堂・阿弥陀堂両堂の正面向拝に設置することを想定して、このたび新たに制作いただいているものです。

 

東本願寺を訪れる観光客からは、「自由にお堂に入っていいんですか?」と質問を受けることがあります。どんな方にでもお参りいただける御影堂・阿弥陀堂であることをお伝えすべく、看板には「靴を脱いでご自由にお参りください」との文言で表現しています。

 

さらに御影堂・阿弥陀堂両堂のそれぞれの特徴を生かし、御影堂にはシンプルなデザインのもの、阿弥陀堂には浄土の世界観を表す蓮の花の彫刻が施されます。

 


 

現在、彫刻組合に属する彫刻師さんの手により彫刻作業が鋭意進められています。

 

東本願寺への思いを込めて彫刻を施す野村光雄さん

 

「ご本山がなかったら、井波の彫刻の歴史はなかった。お礼の気持ちで精一杯彫らせてもらいます」と日展作家でもあられる野村光雄井波彫刻協同組合企画・広報部長は、鑿をふるっておられます。

 

東本願寺での看板のお披露目は、2022年5月中旬を予定しています。

 

ぜひ東本願寺にお参りいただき、明治時代の彫刻師の彫刻と、その流れをくむ現代の井波彫刻師による現代風のサイン看板をお近くでご覧ください。

 


 

~ 皆さんのお寺でも、オリジナルの手彫りサイン看板を設置しませんか? ~

 
 ⇒ 詳しくは、井波彫刻協同組合まで直接お問合せください~
    【井波彫刻協同組合】 https://inamichoukoku.jp/

 

土足厳禁マークを彫刻で施す