おはようございます。
南無阿弥陀仏は、自我に立つ私の思いを、破る言葉です。私の自我に立つ執着の思いが、苦悩の元であった。その執着が破れてみれば、私のそのままが、広大無辺。それが、今回宗祖親鸞聖人七百五十回ご遠忌のテーマ「今、いのちがあなたを生きている」という言葉で表現されている世界だと私は思います。
現代に生きる私たちは、あまりにも、他からの評価に、とらわれています。役に立つものは、受け入れるけれど、そうでなければ、切り捨てる。間に合うものは、許すけれど、間に合わなければ、排除する。すべてのものを、すべての事を、たった2つのものさしでしか見ない小型人間、狭い視野でしか物事を判断しない小さく縮こまった人間に陥っています。そのものさしが、いのちのレベルにまで使われるようになりました。自分の手の出せぬ領域にまで、評価のものさしが入りこんでしまっています。その結果、せっかくこの世に誕生させてもらったのに、誰とも本当につながれず、孤独に陥って、心が傷つき、自ら死をえらぶ人が後をたちません。今、いのちがあなたを生きています。思い通りにならない、と苦しんでいるのは、本当でないものを、本当としているからです。役に立たないと苦しんでいるのは、自分のすべき仕事を忘れて人の仕事ばかり気にかけているからです。
あなたが、悩み、苦しんでいるのは、あなたの本体であるいのちから、その事を知らせる、信号です。無量寿のいのちは、いつも「あなたはあなたに成ればいい」「あなたはあなたであればいい」と願い続けています。どうぞ、逃げないでください。
立ち止まって、耳をすませてください。
「今、いのちがあなたを生きています」
「今、いのちがあなたを生きています」
「あなたに」というこんな詩をつくりました。
生まれてくれてありがとう あなたにあえてうれしいです あなたにいのちのバトンを渡し わたしたちはお父さんとお母さんになりました あなたにいのちのバトンを渡してくれた お父さんとお母さんはわたしたちだけではありません 10代さかのぼれば1,024人30代さかのぼれば1,073,741,824人 50代はうーんもうわかりません無量寿です あなたのいのちの中には無量寿のお父さんとお母さんがいます あなたのいのちは無量寿のいのちです 無量寿のいのちが 「あなたはあなたになればいいあなたはあなたであればいい」 という願いをかけて 世界にたった一人の あなたを誕生させてくれました あなたがうれしいと無量寿のいのちもうれしいのです あなたが悲しいと無量寿のいのちも一緒に悲しんでいます あなたが苦しいと無量寿のいのちは 「どうして苦しいの」といつも問いかけてくれます あなたが生きていくとき無量寿のいのちの願いを わすれないでください 無量寿のいのちはいつもあなたと一緒です 無量寿のいのちの名前を南無阿弥陀仏ほとけさまといいます 「今、いのちがあなたを生きている」 |
このテーマの言葉を、どうぞ声に出して、あなたの人生を歩んでいただきたいと願っています。